口実なんてなんでもよかった。

ただ、キミに


捕らえられた心は
もうオレのところには戻ってはこないから。






つかまえた・つかまった







「ねぇねぇ、私ずっと気になってたんだけど。」


任務終了後に心なしか楽しそうに前を歩くカカシを横目に見ながら、サクラは振り返ってナルトとサスケに声を潜めて言った。

「先生の口のこと?サクラちゃん。」

ナルトは興味津々に尋ねかえすが、サスケは相変わらず関心がなさそうにしている。

「それはそれで気になるところだけど、・・・先生って最近任務終わりにだいたいあそこ寄ってくじゃない?」


「あそこって・・・ねーちゃんとこ?」


「そう。」


道なりからいえば今日も向かっている。

「・・・それがどうかしたってば?」
ナルトは読めない先に歩きながらも首を傾げる。

サクラは結論を口にする前に、もう一度前にいるカカシを見てからよりいっそう声を潜めた。



「・・・カカシ先生って、・・・絶対さんの事好きだと思うの。」

なーんだ、そんなことか。
と早くもナルトは興味を失ったらしい。

「別に、そーいうのもありなんじゃねーの?」

「まぁ、そうだけど。でもやっぱりそこは気になるじゃない。私、絶対そうだと思うのよねー。」

話が完結に向かうなか、一方で今まで関心を示さなかったサスケがあくまでも冷静を装って会話に加わった。



「・・・なんでそう思うんだ。」



その事にサクラは多少驚きつつも、ナルトに言えなかった自分の考えを述べた。

「う、うん。あのね、・・・」

隣に並びこそこそとサクラは話した。
距離が微妙に近いのが気になったが、そこは我慢だ。なんで話をするだけなのに、腕を掴む必要があるんだ。

まぁ、いい。そんなことより、・・・




あのカカシが、を好きだと?



サクラが言うには、一人暮らしが長いカカシが急に遠回りしてでものもとに通いだしたのには何か訳があるに違いないと。
それはカカシがを目当てに通っていると、サクラは乙女の勘とやらで読んでいるらしい。



「まぁ、でもあのカカシだぞ?」

「サスケくん、知らない?カカシ先生ってくの一の間じゃ結構モテるのよ?」


・・・そうなのか?

「あ、サスケくん今あんなヤツがって思ったでしょ。」

「・・・まぁ。」

「普段はあーだけど、頼りになるし上忍だからお金もあるだろうし。・・なにより顔よ。」


「顔?」

興味を失った様子だったナルトが、いつの間にか話に加わってきた。

「そう。隠された素顔は実はとんでもなくカッコイイんじゃないかって噂が、いつもくの一の間で絶えないのよ。」


「「ふーん。」」

あのカカシが。
自分たちが見る限りではモテる要素は1つもないように思えたが、サクラが言うのなら本当なのだろう。

ナルトもサスケも改めて、カカシの後ろ姿を見た。
背は高いが猫背のために丸まっているし、髪はどうしたらああなるのか横になびいてるし、ポケットに手を突っ込んで
もう片方の手にはいつも読んでいるいかがわしい本とそれに夢中になって緩くなっている表情。


どれも女の人の興味をそそるものではない気がした。



「なぁ、サスケ。」

「なんだ。」

「俺、改めてて考えてみたけどカカシ先生がモテる理由がわかんないってばよ。」


「・・・俺に聞くな。」
俺にだってそんなもん、わからん。

2人して頭を抱える様子に、サクラはクスクスと笑いながら。

さんは一般人だけど、時間の問題だと思うなー。」


サクラのその発言は、深くサスケの心に突き刺さった。


そうこうしているうちにカカシは読んでいた本をパタン、と閉じた。
目当てののもとに、今日も着いたのだ。



「あ、カカシさん!みんなも。」

ねーちゃん!」

ナルトは子どもの特権というか、キャラ的に許されるというか・・・の姿を見るなり抱きついていた。
うらやましい、と男2名が思っているとも知らずに。

「ナルトくん、任務お疲れさまー。今日はどうだった?」

見上げるナルトの頭を撫でながら、は尋ねた。

「もっちろん!俺ってば、ちょー活躍しまくりだったんだぜー。」


「・・・嘘つけ、ウスラトンカチ。」

いつも少し不機嫌なサスケくんは、ナルトくんにつっかかる。
それをカカシさんがやんわりといさめて、サクラちゃんはサスケくんに目をハートにしているのがいつも私が見ている第七班の様子。


「で、今日は何にします?」

少し落ち着きを取り戻した第七班を微笑ましく見ながらも、はカカシに注文をとる。


「んー今日はねぇ・・・・。」
これ、と本日の晩御飯のメニューをカカシは指差して見せ、は一度確認をしてから注文を通しに中へと入って行った。
その姿を横目に見つつ、サクラは隣にいるカカシに聞く。



「カカシ先生もよく飽きませんね。」

「んーだってここの弁当うまいんだよー?帰って作るのもめんどーだし。」

ふーん、とサクラはカカシの答えに納得いかないのか不満気に見ていた。



しばらくして、カカシが注文した弁当が入った袋をもってが出てきた。

「お待たせしました。」

「はい。」

にこにこと笑うの手に、代金を渡してカカシは晩御飯を受けとる。


「いつもありがとうございます。」

「いーえー。ちゃんの顔見るのが楽しみで通ってるようなもんだからねー、オレv」

「またまたーカカシさんてばそんなこと言っても何も出てきませんよ。」

「えー結構本気なんだけどな。」


にっこりと笑顔で答えるカカシ。
だが、はあくまでも弁当屋の店員とお客という距離を崩さない。



「・・・カカシ、用が終わったんなら行くぞ。」

「えー。」

まだまだ名残惜しい、という態度をカカシは隠さない。


さん、ではまた。」

「じゃあなってばよ!ねーちゃん。」

「うん、また顔見せに来てね。楽しみにしてるから。サスケくんにサクラちゃんにナルトくん。」

すでに歩きだしている子どもたちには手をふりながら別れの言葉をかける。



「オレは?」

「へっ?」

まだ隣にいたカカシに、は驚いた。


「オレには言ってくれないの?」



心なしか距離が近い。


ちょ、ちょっと///

「な、なにがです?」

ちゃんは、オレに会うのは楽しみにしてくれないのかなーって。」

右目しか出ていないが、この目の前の忍は対面するとどこかまとう空気が甘くて、いつも胸がドキドキする。



ただのお客さんなのに。



「え、えーっと。」

「んー?」

どんどん小さくなっていく声に、わざとなのかどんどん顔が近くなっていく。



「・・・オイ。」

「ん?」



「カカシ!!!」



いつまでたっても追いついてこないカカシに、サスケが不機嫌を露にして立っていた。

「いつまでにかまってんだよ。用が済んだんならさっさと帰るぞ。」

「あらま、サスケがご機嫌ナナメだからもう行くね。じゃあちゃん、またねvv」


「あ、はい。いつでもお待ちしてます。」

こうして、カカシたち第七班はが働いている弁当屋を後にした。


・・・私って、サスケくんに嫌われてるのかな。


いつも怒った用な態度のサスケくんに、は少し落ち込んでいた。



カカシさんはいつもからかってくるし。

「ハァ〜。」

思わずついてしまったため息に、店長が心配して声をかけた。

「どうしたんだい?さん、体調でも悪いの?」

「あ、いえ!なんでもないです。さ、仕事仕事〜。」



いつしか、よく通ってくるようになったカカシさん。大抵が任務帰りで、ナルトくんたちを引き連れて賑やかに店を訪れてくれる。
彼にしたら毎日の晩御飯を調達するのに丁度よい場所を見つけた、くらいにしか思ってないにちがいない。

愛想よくするのは、長く通うための社交辞令だ。

はそう思うのに、いつも夕方の時間帯になるとカカシたちが帰ってこないか心待ちにしてしまっていた。




カカシさんが勘違いさせるようなこと言うから、いけないのよ。



からかっていると分かっていても、かわいいとか自分に会いに来ているとか言われれば嬉しくなってしまうのが乙女心というものだ。
その後仕事中なのを忘れて頬を染めるを見た店長は、風邪かなにかではないかと心配したのでなんでもないと説得するのが大変だった。





今日もカカシ率いる第七班は、カカシの足取りからしてが働く弁当屋に向かっている。
サクラにああ言われて以来、サスケの心はずっとモヤモヤしたものが晴れずにいた。



なんなんだ、これは・・・。



カカシを見ているとかなりイライラするし、反対にを見ると以前のようなイライラはおさまったが今度は何故か変に緊張する。


今までまともに話したことがないからか?


しかもカカシときたら俺がやっとの思いで自然にに話しかけようとすれば、必ず邪魔に入るし
あまつさえ俺がを呼び捨てにしているのも年上なんだからとさんづけするように言ってきた。


今さら直すかよ。


チッ。

なんなんだよ、ったく。



今日もそんなこんなで、のもとへたどり着く。

「あ、皆さんいらっしゃーい。」

店先で、今日もはにこにこと第七班を迎える。

「皆さんって、客はオレだけよ?」

そんなを独り占めしようと、カカシは俺達の前に立ちはだかるがそうはいくか。




・・・俺だって客になりゃいーんだろうが。




「・・・俺も買う。」

「え?えーっと、・・・サスケくん?」

あまりにも不意な上に、ボソッと話しすので私はうまくサスケくんの声が聞こえなかった。

「だからッ!・・・今日は俺も弁当買うって言ってんだよ。」

サスケのその発言に、はしばらく目をパチパチさせながらもようやく意味を理解したのかすぐにいつもの明るい笑顔でなににするか聞いていた。
それまでこの店が提供している弁当のメニューになど興味を持ったことがなかったサスケは、何を注文していいか分からずあれこれとオススメなどをに聞いていた。


はというと、それまでサスケに嫌われてるものだとばかり思っていたこともありいつもより断然口数が多いサスケにとても嬉しそうだ。




そのやりとりを見て面白くないのはカカシだ。

「ふーん。・・・サスケってば、そーいうことね。」


この時、いつも眠そうにしている唯一出ている右目が部下を見る目付きから敵を見る目に変わったのをサクラは見逃さなかった。


「ほーら、やっぱりね。でも、サスケくんまで・・・ここはなんとしてでもカカシ先生に頑張ってもらわないとダメね・・・。」

1人気合いを入れるサクラ。



ナルトだけがこの状況についていけず、1人頭の上にはてなを浮かべていた。





それから、サスケはことあるごとにカカシとの間に入っていった。
よくよく観察してみれば、カカシはすぐにの肩やら腰やらに手をまわそうとするし、手や髪にだって触れたがる。
俺が邪魔しなければ、確実に実行されているだろう。
というか、ナルトにしたってどうしてを見かけたらすぐに抱きつきに行くんだ?


気にくわない。


ただ、唯一救われるのがカカシは口説いているつもりなのだろうが本人はまったく気がついていないということだ。
からかわれているとしか思っていないのか、どれだけカカシに誉められても冗談だと相手にしない。



俺が、

俺があと少し早く生まれていれば・・・。




その日もてっきりのところに寄っていくものだと思っていたサスケは、方向が微妙に違うことに気付き不思議に思った。

「・・・今日は買いに行かないのか。」

珍しくサスケからカカシに話しかける。

「んーっていうか、オレは後から行くけど。」

「なんでだ。」

「だってサスケ、オマエと一緒にちゃんトコ行くと最近絶対邪魔するでしょ?」


チッ、さすがに気づいてやがったか。


「なんだぁ〜?サスケ、お前ってばなーんかやけにカカシ先生がねーちゃんといる時に突っかかってくと思ったら邪魔してんのか?」

「なっ、別に・・・///俺は。」

「でもなんでだ?カカシ先生とねーちゃんが仲よくしてんのが、なんか問題あんのかよー。」


ある。

大いにあるだろ。



だって俺は、俺は・・・?


「とにかく、・・・俺も行く。」

「ダーメv」

「なんでだッ?!お前だけで行かせる訳には、・・・」



「なんで?どーしてオレが1人でちゃんとこ行っちゃいけないのよ?」


「・・・ッ!」


赤くなって、固まるサスケ。
その様子を見て、ナルトもサクラも目を真ん丸にして驚いている。


「サスケはなーにが気に入らないのかなー?」


本当はカカシは俺の気持ちなどお見通しなのだろう、なのになぜそんな試すことをするんだ?
でも、・・・・

でも何も言わない訳にはいかない。



「カカシッ!お前は、・・・お前のことどう思ってんだよ?」


キッ、と頭上のカカシを精一杯睨み付けてサスケは問いかけた。

「オレ?オレはねぇ〜って、こんなトコでいうことでもないでしょーよ。」

「なっ!なんでだッ。俺は、・・・」





「少なくとも俺はが好きだぞ///!!!」




「あーらら。」「いやーん!!サスケくーん(涙)」「ゲッ!マジで?」

本人もいない中、チームである仲間と上司に思わず言ってしまった言葉。
口から出てしまっては、もうどうしようもない。



・・・・最悪だ。


サスケは暴走してしまった自分にショックを受けて、先に帰ってしまった。

「サスケったら、もう見えないねぇ。」

こりゃーそうのんびりもしてられないな。


そんなサスケを追いかけるでもなく、のんびりと見つめるカカシ。

「・・・先生。」

「んー?」

やっと意識がこちらに戻ってきたナルトがカカシの隣に立ってに話しかける。


「俺、・・・サスケのあんな姿初めて見たってばよ。」

「ね、オレも。」

「びっくりした。」

同じくサスケが走っていっただろう先を見つめたまま、ナルトは未だあっけにとられていた。
カカシはポリポリ、と頭をかきながらも。

「ナルト、オマエサクラと一緒に先に帰れ。」

サクラはサスケの気持ちに気づいていながらも、あぁもはっきりと言われて地面にめり込むほどに落ち込んでいるようだ。

「んーいいけど。・・・先生は?」

「オレ?オレはもちろん、いつものトコv」


「なぁ、せんせー。」

「ん?」



「先生はねーちゃんのこと本気なのか?」


ナルトは不意にいぬくような瞳で、カカシにそう問いかけた。
そんな教え子を、軽い冗談で流すなんてことは出来なくて。


「モチロン。じゃなかったらサスケにもちゃんにも失礼でしょ?」


「・・なら、いい。俺、サスケもねーちゃんもサクラちゃんも、・・・もちろんカカシせんせーも。みんな大事だから、・・・こーゆーのちょっとツラいってばよ。」


苦しそうな表情を浮かべ下を向いてしまったナルトに、カカシは頭にポフッ、と手をおいた。

「ダーイジョーブ。すぐにまた仲よくできるさ。」


「・・・うん。」

じゃあ、サクラの事頼んだぞ。
と言い残して、カカシ先生はねーちゃんのもとへ向かっていった。


残ったのは、俺と未だ現実に戻ってこれないサクラちゃんの2人。

「・・・サクラちゃん。」




「俺じゃ、・・・ダメ?」




その言葉は今はまだサクラには届かないようだった。
そんな様子に、ナルトはくしゃっと悔しそうに笑ってサクラの手をとって歩き始めた。




「あれ、・・・カカシさん?」

少し背を丸めて、ポケットに手を突っ込みながら眠そうにこちらへと歩いて来るのは紛れもない、先生であるカカシさんで。

「どーも。」

その様子はいつもと、なんら変わりがないように思うけど。

「今日はおひとりですか?」

「んーまぁね、たまには。」




「「・・・。」」




沈黙がなんだか苦しい。
いつもは、なにかとカカシさんの方から話しを振ってくれるのに。


今日はどうしたんだろう?


はカカシの雰囲気がいつもと違うことに、妙にそわそわしていた。

「えーっと、今日はどれにします?」

しばらく沈黙したあとにこれ、とメニューを指さすカカシ。
名前を読み上げ、確認をして奥のキッチンへと向かった。

今日は店長がいないため、が調理もする。


出来上がりを待っている間、カカシさんと2人きりでないことに
これほどホッとしたのは未だかつてないんじゃないかってくらい、私はどぎまぎしていたと思う。



な、なんだろ。


私、なんか怒らせるようなことしたっけ?



「お待たせしました。」


しばらくして、出来上がった弁当を持って待っていたカカシのもとへと向かった。


「あぁ、ありがと。・・・今日は店長いないんだ?」

お代を手渡しながらカカシは聞く。

その声色は、先ほどよりかは少し柔らかになったようには感じていた。


「はい、なんだかどうしても行かなくちゃいけない用事があるだとかで。今日は私ひとりなんですよー。・・・ありがとうございます。」

代わりに、出来たての弁当を手渡そうとしたがカカシさんは手を出さない。


「あの、・・・」

なんとなく気まずさからカカシの顔を見れないでいたが、はおずおずと上を見た。


「くち、」


「は?」


「唇、切れてるよ。」

「え?あ、うそ。」

そういえば、最近寒さで乾燥しているせいか唇が普段からかさついていた。
調理中もピリッとした痛みを感じたと思ったが、それだったのか。

触れて確かめようにも今の自分はお金と弁当で両手が塞がっていて、どうにも出来ず下を向いてあたふたしていた。


そんなの様子を見て、カカシは顎を持ち上げて再び上をむかせる。



「オレなんでもよく効く薬持ってるから、・・・塗ってあげる。」



「あっ、あの・・・カカシさん///」

ちゃん両手塞がっててムリでしょ?」

それは・・・そうですけど。


だからってそうなります?



カカシさんは腰のポーチから薬を取り出すと、蓋をまわした。
中にはクリーム状になった白い塗り薬が入っており、ちょん、っとすらっとした長い小指につけた。


「ホーラ、下向いてちゃつけれないよ?」


う・・・///

恥ずかしさからおずおずとわずかにしか顔をあげられないに、カカシは反対の手を顎に添えた。
強くはないが、やんわりとした力で先ほどよりさらに少し上をむかされた

カカシの指が己の唇に向かってくるのが見えて思わず瞼を閉じた。



わーわー(涙)///


指が唇の上を滑る感覚が、頭の中の全てを埋め尽くしていた。


まだ?まだなの?


しん、とした辺りに恐る恐る目を開けようとしたの唇に思わぬ感触が舞い降りた。




ちゅv



え?!



しかも、一度離れたかと思ったらすぐにまた指とは比べ物にならない程柔らかなものがあたり
今度は先ほどより長くて、


甘い。


脳がとろけそうになるような、

そんなキス。


「ん、・・・ふ。」

気づけば、カカシさんの両手が私の頬を包んでいた。


「ハァ・・・。」

ずいぶんと長いこと、堪能されてからようやく唇は離れた。



「んー・・・」

「???」


「いやーそんなつもり無かったんだけど。・・・だってちゃん、上向いて目ェ閉じるからさ。これってキス顔だなーとか思ったら思わず、ね?」

「ね、って・・・言われましても///」

っていうか、思わずでキスなんてもんしないで下さいよ。


私、

ただでさえ・・・。



「あ、ごめん。」


「え?」

「アハハ、キスしたから薬とれちゃったvv」



なっ、///?!



「ま、嘗めときゃ治るってよく言うしね。あんまかわんないでしょー。」

「変わりますッ!!」



うぅ〜///なんなんだこれぇ〜〜〜。



「あとさ、もういっこごめん。」

「今度はなんですー?」

もう、これ以上驚くことはないと思っているのかは若干なんでもこい、な投げやりな態度で続きを促した。





「・・・オレ、ちゃんのことがかーなりスキなんだけど。」


・・・・・

・・・・・


は?



「あの、今なんて・・・?」

「んー?これ結構恥ずかしーんだけど。・・・だからね?オレ、ちゃんがスキなのよ。」


「え?」


「ちなみに、うん以外受け付けませーん。」


だからカカシさんごめんって初めに謝ったのか・・・納得。
でも別に、謝る必要なんてない。



キスにしたって。



「私・・・も・・・。」


「んー?」

今度はカカシさんが聞き返す番になっている。


「私も、・・・あの・・カカシさんが。前から気になってたといいますか・・・。」

「つまり、それってどーいうことかなー?」




「私もカカシさんが、・・・好き、デス。・・・・たぶん///」




「ちょ、たぶんってなーにたぶんて。ダーメ、もっかい言い直しv」

「えぇ〜?!!!だって、」

「だってじゃないでしょ。ちゃんが余計なこと言うのがワルイ。」


うぅ、・・・カカシさんて、優しそうに見えて結構なS・・・ですか?



「スキ、です。」

「聞こえなーい。」



「あーもぅ!!すきです。カカシさんが大好きです!」


そうはっきりと言いきったに、カカシは満足そうにニヤリと口の端をあげる。


っていうか、・・・くち!!


「カカシさん!」

「ん?」



「くち!見えちゃってますよ///!?!!」



慌てるにキョトンとするカカシ。


「別に口くらい見えたっていーじゃない。これからは恋人同士なのよ?オレら。」


こ、恋人///


忘れていたのか、は恋人という言葉に照れて再び下を向いてしまった。



真っ赤なちゃんもかーわいいv


に見えないように一度ニヤリと笑って。
カカシは耳元へと口を近づけた。






「スキだよ、。」






スキだという愛の言葉だけでも十分なのにその後のカカシの発言でまんまと、が固まってしまったことは言うまでもない。





それからしばらく時が経ち、カカシがぱったりと寄り道しなくなった事に
さすがに今度は、サクラだけでなくナルトもサスケも気がついていた。


サクラは悲しげにサスケを見つめ、サスケはカカシを感情が読めない表情で見つめていた。




ここは、俺がなんとかするしかないってばよ!



ナルトは決意を固め、前を歩くカカシの隣に並んだ。

「カカシせんせー!!」

「んーなんだ?」

カカシは相変わらず、手元の本から目を離さずに問いかけに応じる。


「その〜・・・ねーちゃんとは、その後どうなったんだってばよ?」


ナルトのその発言に、サスケが一番反応を示した。


「どーなったって。」

「あれからいっかいも寄り道してねーじゃん。せんせーってば、あんなにほぼ毎日通ってたのにさー。」




「あ〜・・・ならあの店辞めたんだ。」





辞めた・・・?



その時、タイミングを見計らったかのように少し遠くで手を振るの様子が見えた。


ねーちゃん?」

「久しぶり!ナルトくんもサクラちゃんも、サスケくんも元気にしてた?」


!!?お前店辞めたって・・・。」


道理であれから何度か弁当を買うのを口実に、店に出向いてもいなかったわけだ。
しかも、俺たちには久しぶりだと言ったのにカカシには言わなかった。


それにこいつはここで誰を待っていたんだ・・・?


少し取り乱した様子で、サスケはに詰め寄った。

「サスケくん?うん、そうなの。あのね、」




「サスケ、こーいうことだよ。」


そう言うのと同時に、カカシはの肩を抱き寄せた。
サスケは目を見開いて驚き、ナルトとサクラは驚きつつもハラハラした様子でその一部始終を見つめていた。



「お前ら・・・。」

「ごめーんね、サスケ。こればっかりはかわいー部下にも譲れないんだよね。」

「先生!あの、・・・さんも。おめでとうございます。あの、私たちずっと先生がさんのこと好きだって知ってて応援してたんですよ?ねぇ、ナルト。」

「え?う、うん。まーね。」

「さ、サスケくん!あの、さんはもうカカシ先生の彼女なんだし・・・あの私、私なんてどう?サスケくんのそばにずっと・・・」


必死に自分を励ますサクラの優しさが、この時ばかりは染み入るようにじわじわと心をあたたかくしていった。
ふわ、っと今までのどの笑顔よりも柔らかく自然な表情を

サスケは浮かべた。



「やっぱお前、ウザいよ。」



「サスケくん・・・。」

いつものサスケにサクラは少しホッとして。

「しょうがないじゃない、私サスケくんが好きなんだもん!」

「さ、サクラちゃーん!俺はサクラちゃんが好きだってばよー!!」

「アンタは出てこなくていいの!邪魔よ、ナルト。」



いつしか以前弁当屋の前で見せたような、日常を再び繰り広げる3人に自然とカカシとの目尻も下がる。



以前と違うのは、ここが弁当屋の前ではないということ。

私とカカシさんが店員と客から、恋人同士になったこと。


なんとなくその事実がくすぐったくって、私は下を向いて隠れて笑った。



?」

「はい?」

「いや、にこにこしてるからどーしたのかなーって思ってさ。」



「幸せだなーって思ってました。」



「・・・。」


「カカシさん?」

「もーなんでそんなかわいーこと言っちゃうかなぁ。ダメ、無理。」

カカシはすかさずを抱き上げた。


「わゎっ・・・?!カカシさん?」

「じゃあ、オマエたち今日はここで解散。明日は9時に受付前に集合ね。」

「えぇッ!だって、カカシさん今日は外食にしようって、・・・だから私ここで待ってたんじゃなかったんですか。」


「予定変更。今すぐ帰りまーす。」




「・・・があんまりにもかわいいこと言うからいけないんだよ?だから帰ったら大人しくオレに抱かれてちょーだいよvv」



う、わ・・・


なんちゅー口説き文句でしょうか///



あっけにとられた顔の3人を尻目に、カカシはを抱えて瞬身でその場から消えた。





「「「・・・。」」」」

残された部下たち3人は改めて、どうしてあの上司がモテるのかしばし語り合っていたという・・・。




「色々大人げなかったかな?」

「サスケくんの事ですか?今日の事ですか?」

「んーどっちも?っていうか、サスケの気持ち気づいてたんだ?」


「いや、なんとなく・・・ですけど。結構あからさまでしたし///」


オレもかーなりあからさまだったと思うんだけどなぁー。



「ま、少しは悪いことしたかなーとは思ってるんだよ。これでも。」


「じゃあ・・・諦めます?」


少し意地悪そうに。
判りきった答えを、はオレに問いかけた。

「それはムリだねー。もうしっかり捕まっちゃったんだもーん。」



捕まえたの間違いじゃないかしら・・・と心の中で思ったであった。







『ここ辞めてオレの専属になってくれない?・・・そーすればもうお弁当を口実にしなくても、毎日キミに会えるしね?』











久々に短編の夢アップです!!
6000打を踏んでくださったししゃも様に捧げますvv
ありがとうございましたー。

いただいたリクは『旧七班で、舞台は第一部。ほんわか系で』・・・とのことでしたが(汗


すすすすす、すみません(汗
ほんわか系を目指したつもりだったんですが、どう考えてもほんわかしてないですよねー?!!
っていうか、相変わらずワタクシの書きたいもの書いただけのよーな気も・・(ぐはぁ
頼まれてもいないのにサスケくんとのVSにしてみたり・・・

あぅー久々に読みきりでカカシ先生が書ける!と思ったら、テンションMAXで暴走してしまいました。
いやーでも楽しかったんでワタクシとしては満足です(て、コラ

ししゃもさん・・・いかかでしたでしょうか(汗?
こんなのイヤ!って場合は今一度リクエストしていただければ書きますのでお申し付けくださいねー。

アハハ、今回はサスケくんがかませになってら〜w
・・・ファンの方申し訳ありませんー(汗