オレがキミを全てで護るから、

だからキミはオレを支えてて?





絶望は幸せの裏





サーンv」

カカシさんは今日はお休み。
いつもの右目だけの忍者な格好じゃなくて、今はほとんど素に近い状態でまったりと過ごしている。


「はーい。」

洗濯物を干し終えたところを見計らったのかどうかは知らないが、タイミングよくカカシさんが私を呼ぶ声がしたのでぱたぱたと駆け寄る。

「なんですか?」

「やること、終わった?」

「あ、はい。一応は。」

私がそう言うとカカシさんはすっごく嬉しそうな顔をして、「じゃあ、お話しようよ。」と言う。
カカシさんは、休みの日にあまり出かけることはない。
たまに色々つれてってくれるけど、それはまた別で。

そりゃあ普段忙しく(ナルトくんたちの先生になってからはまだマシになったみたいだけど)
外で任務をこなしてるんだから休みの日くらい家でゆっくりしたいんだと思う。

そんなカカシさんが、家でやることといえばイチャイチャパラダイスっていう本を読むか、ムサシくんたち忍犬を呼んでブラッシングしてあげたりとかそんくらいで。
私が来てから1つ加わったらしいのが『私と話す事』。
家事が一段落すると、カカシさんは決まって「お話しよう♪」と誘ってくる。

「じゃあ飲み物持ってきますね。カカシさんは何がいいですか?」

「カフェオレおねがーい。」

「はーい、ちょっと待ってて下さいね。」

話す事といえば大抵お互いの世界の話で、私は忍の事を知りたがったしカカシさんは私の今までの暮らしとか持ってきた物の解説とかに興味津々だ。

たまーにやだなと思うのが、男の人の話。
今までどんな人を好きになったとかその時はどうだったのかとか。


男の人ってそんな積極的に恋愛話ってするっけ?
しかも私が同じ質問をすると、いつもカカシさんはうまーくはぐらかす。
私がはぐらかされた事に気づくのは大抵話が終わった頃で、中々カカシさんの恋愛話は聞けないでいる。


今日こそ聞いてやる!!

私が意気込んで飲み物と共にリビングに舞い戻るちょっと前。



コンコン。


窓の外に小鳥が1羽、ガラスを叩いている。


「あーあ。せっかくのとの休日が台無し。」

カカシはしょうがない、といった感じで渋々窓を開け小鳥の足についている紙を受け取った。





「あれムサシくん、今から任務ですか?」

先ほどまでと違い、あっという間に忍者の姿になっているカカシといつの間にか隣にいるムサシを見て
は今入れたばかりのカカシのカフェオレと、自分のコーヒーを机に置きながら話かけた。


「そーみたい・・・ごめんね。」

「あー気にしないでください。カフェオレなら私飲みますから。」

のその言葉に今日のカカシはちょっとムッとした。

「そーじゃなくて、せっかくとゆっくり話しようと思ったのに出来ないから。」


「大丈夫ですよ、カカシさんがちゃんと任務を終えて無事に帰ってきてくれれば話なんていつでも出来るじゃないですか。私、家で待ってますよ。」


まるで行きたくないと子供のように駄々をこねるオレをクスクスと笑いながら何でもないように言うを見ていると、
三代目には悪いけどマジで今からの任務なんてどーでもよくなる。


あー今スグ抱きしめたいんだけどなー。
ちゅーなんてしたら真っ赤になって怒るだろうしなァ。


ハァー。


カカシは1つため息をついて、窓枠に手と足をかけた。

「じゃあ、いってくるね。」
カカシは先ほどの考えを理性でどうにか奥の方にねじこみ、の頭を撫でて言った。

「はい、気をつけて。」

ムサシは伏せをしながら尻尾をパタパタとふって主人を見送った。



カカシが居なくなった窓をそっと閉め、はぽつりと呟いた。



「任務だもん、しょうがないよね。」



・・・?」
そんなの様子にムサシは心配そうに話かける。

「大丈夫だよー。さて、ちょっと休憩したら掃除でもしようかな。」

は何でもないという風にぎこちない笑顔をムサシに見せ、ソファーでコーヒーとカカシのために入れたカフェオレを飲んだ。





その後もいつもとかわりなく過ごし、時折ムサシと話をしながらゆっくりと時は過ぎていった。


しかし突然ムサシが立ち上がり、に駆け寄ってきた。



、落ち着いて聞けよ。」



今までに聞いたことのないムサシの声色に、は動揺した。
「どうしたの、ムサシくん。」




「カカシから呼び出しだ。」




それは以前ムサシの口から聞いたように・・・・・カカシの危機をさす。



は言葉にならないようだ。

「大丈夫だ。必ずカカシと生きて帰ってくるから心配するな。」

ムサシはぽん、と前足をの膝に置き優しく言った。

「うん、大丈夫。私ちゃんと待ってる。」



が大丈夫だと言う時、決まって大丈夫じゃない事をムサシは知っていたが今はそうも言っていられない。
「じゃあ、いってくる。」
そう言い残し、煙と共にムサシはカカシの元へ向かった。


「ムサシくん・・・・カカシさん。」


不安に押し潰されそうで、


怖くてこわくてしょうがない。



は考えないようにするために、買い物に行ったり、掃除をするなどして手を動かす事に専念した。

ようやく落ち着いた頃には気づけばすっかり日がくれていて、
夕食の準備も終え戻らないカカシに1人で食べてしまおうかと考えていた時。



「・・・・。」




外だろうか、自分の名を呼ぶ声がした。

「誰?」
もう一度耳をすましてみると、確かに外から聞こえてくる。



もしかして・・・カカシさん?!
怪我してるのかも。


以前のようにカカシが怪我で動けなくなっているのではないかと思ったは、急いで玄関でサンダルを履き外に出た。


「カカシさん!!!??」

。」


見るとカカシは致命傷ではないにしろ、全身に怪我を負っているようだ。

「カカシさん!!大丈夫ですか?!今救急箱持ってきますから。」

カカシに駆け寄りそう言うと、は泣きそうになるのをぐっとこらえて
今しがた出てきた玄関に行こうと足を踏み出したその時。






「その必要はねぇ。」

ガシッと腕を掴まれ、口を抑えられた。





パニックになりそうな頭でようやく、目を動かし掴む腕の方を見ると
先ほどまで血まみれだったカカシさんは全く別人になっていた。



「んんんー!!?」

「大人しくしろ。お前があのはたけカカシの女だってのはわかってんだ。」

大人しくしろと言われて素直に従う人なんてそういない。
というか、私はカカシさんの女じゃないし。
人違いだと困るので私は、出来る限りの抵抗を試みた。


「んーんんんー!!!?」

しかしそんな一般人のの抵抗もこの男にしたら、何でもないようで。
腕を掴んでいた手を離し、すっとクナイを首筋にあてた。


「お前自分の状況わかってんのか?大人しくしろっつったらそうしとけよ。」


見知らぬ男。

額当てと呼ばれる、忍者の証であるそれは
カカシさんやムサシくん、ナルトくんたちにあるいつもの木の葉のものとは違っていた。



誰?




首に刃物を突き付けられている以上、男のいう通りに従っていたが



の頭は徐々にパニックに陥っていった。


こわいこわいこわいタスケテ。



「ククク、お前ははたけカカシをつる餌だ。・・・・そうだ。」

何を思ったのか、急に男は首筋にあったクナイでの服をビリビリに裂きだした。



嫌!!!


「んん・・・!!?」

わざとなのか手元が狂ったのか、クナイがの太ももをかすった。


「おっと、すまねぇ。」
クナイについたの血を舌で舐めながら、ニタリと薄気味の悪い表情を男は浮かべる。


「こんな姿、あいつが見たら何て言うかねぇ。楽しみだ。」


は嫌悪感が全身をつつんでいくのを感じた。
静かに涙を流しながら、口元は男に抑えられたまま


大切に想うたった1人の名を心で何度も何度も叫ぶ。


「んな顔すんなよ、犯してくれって誘ってんだと思うだろ。」

己の下半身に男の手が伸びてきてが自己を手放しそうになったその時、





を離してくれる?」





現れた人物に、男は舌打ちをした。

「やーっと現れたか。今からいいとこだったんだけどなぁ?」

「今から死ぬやつにそんなイイ思いはさせてやれないねぇ。」


「どうだかな。」


突然引っ張られる感覚と、大きな音がした。
もうにはなにがなんだか理解出来ない。
というか、理解するのも脳は手放しているような気さえした。

「まんまとこれにつられるなんて、ビンゴブックにのるほどの男が聞いて呆れるぜ。」




「あのねぇ、はモノじゃないのよ。それにそんな汚い手で触らないでくれる?」

口調は穏やかだか、放つ殺気は明らかに濃く空気がピリついているのがにもわかった。



カカシさん。



「遅くなってごめーんね。、ちょっとの間だけ目閉じて耳ふさいでて。」


カカシの言う通りにするやいなや、遠くでする大きな音や身体が揺れる感覚が暗闇の中に訪れた。
自分は何もしていないにも関わらず、上忍たちが発する濃い殺気に当てられて汗が全身から噴き出している。





イヤだ、恐い、タスケテ。




その言葉たちが頭を何周した頃だろう、の脳はもう何も考えられなくなっていた。




死にたい、殺して・・・・



ワタシヲコロシテ




「・・・・イ、オイ!」




!!!??」

耳を塞ぐ手を無理矢理離されると、ようやくは瞳を開けた。

「あ、」

「もう大丈夫だから。」

瞳いっぱいにカカシの姿が映る。


「い・・・いやぁぁああ!!!」

はカカシをおもいきり突き飛ばし駆け出した。

!!」
カカシはよたつくをすぐに捕まえ、腕の中に閉じこめた。


「イヤ!!離して、コワイ・・・イヤだ・・・。」


、オレの目をみて。」

カカシはの頭を両手でつかみ、自分を見る様に言った。




「嫌、イヤ!!」

涙を流しながら、必死にもがくにカカシは力ずくで目線を合わせた。





!!」




「あ・・・・。」


「オレが誰か判る?」
答えないにカカシは辛抱強くもう一度問いかける。



、・・・オレが誰か判る?」


「か、カカシさん。」

「ん、」

カカシはもう大丈夫だ、との頭から手を離し抱き寄せて背中をさすりながら落ちつかせる。


「大丈夫、もう恐いことはないから。」

「ふ、うっ・・・カカシさんっ。」

少し泣いたあと安心したのか、カカシの腕の中では気を失っていた。


カカシは抱き上げてを家の中へ運んだ。






が目を覚ますと、ベッドの脇にカカシが突っ伏していた。



ここは・・・




「オレのベッド。気失ってたのよ、今まで。」



あ・・・私、


私・・・カカシさんの足手まといになった。



「カカシさん、私」

「ダーメ。」

「まだ何も言ってません。」

「お見通しってやつ?ま、でも変な事思わないでちょーだいね。だいじょーぶ、何度だって護って見せるから。」


「あの、でも。」

「いーの。お願いだからサンは黙ってオレに護られちゃってよ。そうじゃないとオレが納得できないの。ね、ムサシもそう思うでしょ?」

カカシさんベッドに肘をついて後ろを振り向くと、そこにはムサシくんがいた。


「もう平気か?」

ムサシは心配そうに、を見ていた。

「うん、2人が助けてくれたから。」

「そうか、ならよかった。」



・・・あのね。」

ムサシを見ていたがは話し出すカカシの方へ視線を向けた。


「あんまり詳しくは言えないんだけど・・・」

今日の事をカカシさんはかいつまんで話してくれた。
守秘義務があるためさわりの部分だけだったけど。

でも本当は私が恐がらないように気を使ってくれたのかもしれない、
どちらにしてもカカシさんが私をすごく気づかってくれているのがわかった。


里に侵入者がいるとすぐにわかるようになっていて、
だからその侵入者を探す為にカカシさんは呼び出された。

侵入者は何人かいて、目的はよくわからないけど大体が木の葉を恨んでる人たちの集まりで、
1人捕まえて聞いたら侵入者の中にカカシさんに復讐したいって人がいた。

聞きつけたカカシさんは、ムサシくんも自分のそばにいるしどんな情報が漏れてるかわからないって事で
私が危ないかもしれないと思って急いで家に向かったところ私があの男に捕まっていたというわけだ。

あの男がその後どうなったのかはわからない、し聞きたくないとも思った。



「・・・ごめんな。」



え?

驚いて顔をあげると、カカシさんはすごく辛そうな顔をしていた。

「どうして?」

「オレと関わったばっかりに・・・は何にも悪くないよ。」

「そんな、私が足手まといだから。私が人質になったばっかりに・・・もしかしたらカカシさんが危ない目にあってたかもしれないんです。
 出ていくとは言いません。カカシさんが護るって言ってくれたのも信じます。でも・・・でも今度もしあんな事があったら私ごと、」

、」

「お願いです。」


!!!」



「・・・私ごと切り捨てて下さい。」




カカシさんの瞳は激しい色をしていた。



遠くにいたムサシくんが、いつの間にかカカシさんの太ももに手をかけている。

「少し落ち着け、2人とも。」


「ごめん、大きい声だして。」

「あ、いえ。でも・・・・」

「そんな約束出来ないよ。さっきも言ったでしょ?は黙ってオレたちに護られてればいーの。ねームサシ。」

カカシは膝元にいるムサシを見た。
普段のお願いは何でも聞くムサシも、こればっかりは聞けないようで。

「あぁ、オマエは安心して目をつぶって俺らに助けられてればいい。」


2人がかりではも折れるしかない。

「ズルいですよ、2対1じゃ勝てないじゃないですか。」
もぅ、とはベッドの上で拗ねた。


「ね、サーン。別のお願いだったら聞いてあげてもいいよv」

「な、何ですか?」

カカシさんが私の事サン付けする時って大抵からかわれるのよね・・・。

「今日添い寝して欲しい、とかv」


やっぱりー(汗!!!



「結構です!」

は顔を真っ赤にして言った。

「あらま、そーんなに怒らなくてもいーじゃない。」

「怒ってません。カカシさんが変な事言うから恥ずかしいだけです〜。」

プイッと横を向く


「あはは、別にからかってるワケじゃないんだけどなー。ま、いいや。お腹空かない?
 がつくってくれたこ飯、温めるから一緒に食べようよ。」


おいで、とカカシさんは私の手を取ってリビングまでつれていった。
その後は昼間出来なかった話をゆっくりして、
いつものように片付けをしようとキッチンに向かおうとした私を、カカシさんは無理矢理リビングのソファーに座らせた。


「私もう大丈夫ですから。」

「ダーメvは今日大変だったんだからゆっくりしてなさい。ムサシ、見張っててね。」

「わかった。」

んもー今日の2人は妙にチームプレーなんだから。


それに・・・



「カカシさんだって任務で疲れてるのに・・・。」

はぁ〜、とため息をついた。




「まーわかってやれよ。」

「なにがー?」


今日はちっとも味方してくれないムサシを少し恨めしそうに見やる。

「カカシも必死なんだよ。」

「なんで?」


が元気ないと心配だろ。」


「も、もう元気だもん。」

「フン、どうだかな。それにどっちかっていうとあれだ。」

「だからなにが〜?」


ムサシはとてとて、との方に近寄り耳元でこっそり囁いた。





に出ていかれたらカカシも俺も困るだろ?」



そ、そうなの///?

自分を元気づけるための冗談だとわかっていても、嬉しくて少しだけ照れたであった。



「ムーサーシィー?」


「げ。」

「見張っててとは言ったけど余計な事まで言わなくていいんだよ?」

いつの間にか隣で仁王立ちするカカシに怯えるムサシ。

「あ〜いや、これはだな。」

「オマエもう帰ってー。」

「カカシさん!」

「いや、いい。お前が無事だとわかったらもういいんだ。今日は久々の戦闘で疲れたしな。」

「そーいうとこだけ物わかりいいんだから。」


「じゃあ、また今度な。」

「うん、ありがとう。ムサシくん。」

「お疲れームサシ。」


尻尾をふって煙とともに、ムサシは姿を消した。



「さーてと、今日は色々あって疲れたし。もう寝ましょーか。」

「あ、はい。」



お互い寝る支度を整えて、はカカシにおやすみなさいを言いにいった。


「カカシさん、おやすみなさい。」

自室に戻ろうとすると・・・。



「ダーメ。今日はこっち。」


「え?・・・ちょ、ちょっとカカシさん!!」

今日はこっちって・・・そっちはカカシさんの部屋しかないはず。




あっという間には再びカカシのベッドの上に乗せられてしまった。

「あの、・・・ほほほんとに一緒に寝るんですか///」


すでにの顔はりんごより赤い。


「あははは、だーいじょうぶ。ヤらしーことはしないから。・・・多分。」

「多分て///!!!」

「うそうそ、ジョーダンだって〜。イヤーのそばに居ないと不安でさ、オレ。」

「不安・・・ですか?」
急に真面目な顔になるから心配したのに・・・。



「うん。それにせっかく一緒に住んでるんだから、たまには女の子のぬくもりを感じながら寝たいじゃないv」


結局はそれかー!!!



もう・・・知らない///

どうにでもなれ、と半ば諦めてはカカシに背を向けて布団に入った。
後ろでクスクスと笑う声がしたが、しばらくしてカカシが布団に入るのがわかった。


勢いで一緒のベッドで寝る事になったはいいが、恥ずかしくてとてもじゃないけどカカシさんのいる側を向けない。

照れながらも、すぐに睡魔が襲ってきてはいつの間にか夢の世界へと旅立った。



一方カカシは、そんなの小さな後ろ姿を見て中々寝付けずにいた。



もうほとんど恐怖を感じていないみたいでよかった。


一時はパニック状態でどうなることかと思ったが、幸いそれほど心の傷になっている風でもない。



死に物狂いでムサシとのもとへ駆けつけ、家の前でが敵の男に捕まっているのを見た時
心臓が凍りつくのを感じた。

もう少し遅かったらどうなっていたのだろう。
の笑顔が二度と見れなくなっていたかもしれない、いや笑顔はおろか息すらせぬ状態になっていたかもしれないのだ。


想像しただけで、カカシはゾッとした。


ナルトたちの担当についてからは何かと平和な日々が続いていたため見落としていたが、
自分と関わりをもつ一般人で、さらに一緒に住んでいるというのはかなりの危険をふくむ。


と過ごす毎日が楽しくて、

の笑顔に、
言動に、

満たされる自分しか見ていなかった。


その存在に支えられているということは、同時に失う絶望を味わう可能性を共に背負う事を意味する。



オレってば、そんな簡単なことも忘れてたワケね。
でも・・・・



カカシは肘をつき、の寝顔を覗きこむ。




色んな意味で、ホンットこの子には最初から調子狂わされるんだよなァ〜。



喜ばしいことなのか、嘆かわしいことなのか。
胸中複雑だったが、やっぱり嬉しい気持ちの方が勝ると思う。



前のオレが見たらびっくりだよね。



カカシは1人困ったように微笑んだ。







目の前ですやすやと眠るを起こさないように、そっと手を伸ばしサラサラと指通りのいい髪をすく。




この先なにがあっても、

どこにいたって必ず護るから。




だから今はそばにいてね。




カカシは抑えきれなくなった衝動に身を任せ、眠るを静かに己の腕の中に閉じ込めた。


そうしてやっと、カカシにも眠気が訪れた。







次の日の朝。



「んん〜。」


ん?
なんか動きずらいような・・・??



まだ眠い目をそっとあけると、目の前には無防備に眠るカカシの顔。




なっ、///!!??



思わず声をあげそうになったが、カカシを起こしてはいけないと思い
すんでの所で思い止まる。


そういえば、昨日一緒に寝たんだった〜!!!


心の中で一通りわたわたとした
腕の中から解放される事はなかったが、ようやく落ち着いて少し離れてカカシの顔を見た。



相変わらず、綺麗な顔。
でも、こうしてまじまじと見ると



・・・なんだかかわいいv



「んー・・・」



一瞬起こしたかと思い身を固くしたが、カカシはをぎゅっと抱き寄せ
苦しくない程度に胸に押しつけると再び深い眠りについたようだ。



わわわわ、///



カカシの力強い抱擁と暖かい胸の中に再び照れまくるであったが、


そんなをよそに頭上では1人ニヤリとするカカシがいた。









カカシ先生、確信犯ですw
ここぞとばかりにべったりしちゃって、ヤラシーですね〜(笑
もちろんエリート忍者ですからさんが起きる前から、さんのステキな寝顔を堪能していたにちがいません。


このお話は2000を踏んでくださった紫苑さまに捧げますv
リクエストいただいたのは連載のヒロインで、
『一般人ヒロインを護るカカシっ!で切な甘な感じ。カカシがかっこよければすべてOKなお話』が読みたいということでしたが、

いかがでしたでしょうか・・・精一杯書いてみたのですが(汗

いつものごとく、ワタクシの過大解釈でお贈りしました〜。
かっこよく・・・かっこよく・・・なってました(汗?
ワタクシとしては書いてて楽しかったので、一応満足です。
紫苑さん、これからも雨音をよろしくお願いしますねv